胃がん発覚のきっかけは何?

胃がんとは

胃がんは、胃壁の内側を覆う胃粘膜細胞ががん化して無秩序に増殖することで発症します。がん細胞は粘膜から外側の粘膜下層、固有筋層、漿膜下層、漿膜にまで広がり、さらに周囲の臓器やリンパ節に浸潤し、遠隔部位への転移を引き起こします。胃がんは分化型と未分化型に分けられ、分化型は進行が緩やかである一方、未分化型は進行が速く、特に若年層に多い傾向があります。スキルス胃がんは未分化型が多く、胃壁を硬く厚くさせながら広がるため早期発見が難しく、注意が必要です。
また、粘膜層や粘膜下層に限局している早期胃がんは自覚症状が乏しく、進行してもほとんど症状が現れません。しかし、早期胃がんは適切な治療によって完治が期待できます。定期的に胃カメラ検査を受け、早期発見・早期治療に努めましょう。

胃がんの原因

胃がんの原因胃がんの発症メカニズムは明確にはわかっていませんが、胃がんのリスクを高める要因としてピロリ菌感染が挙げられます。ピロリ菌による胃粘膜の慢性的な炎症が、胃がんの主な原因と考えられています。
さらに、塩分の多い食事、野菜や果物の摂取不足、喫煙、過度な飲酒、ストレスなどの生活習慣も胃がんのリスクを高める要因とされています。これらの要因が組み合わさることで、胃がんの発症リスクが増加すると考えられています。胃がんの予防には、健康的な生活習慣の維持やピロリ菌の除菌などが重要です。

胃がんの種類

分化型胃がん(Well-differentiated gastric cancer)

がん細胞が比較的正常な胃組織に近い形態をしています。進行が比較的緩やかで、周囲の組織に浸潤するのが遅い傾向があります。

未分化型胃がん(Poorly differentiated gastric cancer)

がん細胞が原始的な形態で、正常な胃組織とは大きく異なります。進行が速く、早期に周囲の組織に浸潤する可能性が高いです。

リンパ上皮性胃がん(Lymphoepithelioma-like gastric cancer)

リンパ腫に似たがんで、胃のリンパ上皮に由来するものです。胃壁を圧迫して浸潤していきます。

潰瘍型胃がん(Ulcerative gastric cancer)

胃壁に潰瘍を形成するタイプの胃がんです。潰瘍が広がりながら浸潤していきます。

スキルス胃がん(Scirrhous gastric cancer)

胃壁を硬く厚くさせながら進行する胃がんです。未分化型が多く、早期に発見しにくい傾向があります。周囲の臓器やリンパ節に浸潤しやすく、進行が速いことが特徴です。

スキルス胃がん

胃がんの症状

など

胃がん初期症状は?気づくきっかけは?

胃がんの初期症状は、一般的に自覚症状に乏しく、特定の症状が現れることは少ないです。しかし、胃がんの初期症状の兆候として、胃の不快感や胃痛、胃もたれ、胸焼け、体重減少、貧血などが見られることがあります。こうした症状がありましたら、健康診断や胃カメラ検査にて定期的にしっかり検査されることを推奨します。

胃カメラ

胃がんにかかりやすい人

胃がんは日本人によく見られるがんの1つであり、大腸がんや肺がんに次いで罹患数が多いです。男性の方が女性よりも発症率が高く、男性では10人に1人、女性では21人に1人が胃がんにかかると推定されています。
胃がんの発症リスクは50歳を過ぎると増加し、80歳代で最も高い確率で発症します。高齢化の影響で胃がんの罹患数は増えていますが、早期発見・治療の進展により胃がんによる死亡者数は減少傾向にあります。
その他にも、喫煙、多量の塩分摂取、多量の飲酒なども胃がんの発症リスクを増加させる要因とされています。これらのリスク要因に注意しつつ、胃がんの早期発見と適切な治療に努めることが大切です。

胃がんの検査

胃がんは初期症状が特有的ではないため、早期発見のためには定期的ながん検診を受けることが重要です。胃がん検診では、胃カメラ検査またはバリウム検査が実施されます。これらの検査により早期の胃がんを発見し、適切な治療を受けることができます。当院でも宇都宮市の胃がん検診に対応しています。定期的な検診を受けて健康管理に努めましょう。

胃がんの治療

胃がんの治療方針を決めるために、がんの深さ、浸潤の程度、転移の有無などを調べ、進行度を診断します。その結果に基づいて、内視鏡的切除、外科手術、抗がん剤治療など適切な治療を選択します。患者の年齢、体調、ライフスタイルなども考慮し、患者と相談しながら治療方法を検討します。胃がんが発見された場合、必要に応じて専門の高度医療機関をご紹介させていただきます。
早期の胃がんは多くの場合、内視鏡的切除が可能です。この方法は身体への負担が少なく、胃を全て残すことができるため、食事への影響も最小限に抑えられます。早期発見のためには、定期的な内視鏡検査がお勧めされます。当院では胃がんの患者に対して、術後フォローアップも行っておりますので、お気軽にご相談ください。